代金引換については、おそらくECサイトで普及率が圧倒的No.1で、多くのお客様にとってわかりやすくなじみ深い決済手段となります。まずはこの代金引換のみで始める業者も多いでしょう。
法的に見てお店側に不利な契約となるおそれがほとんど無く、代金の未回収問題もほぼ起こりません。また、クレジットカードよりも比較的回収タームが速く小規模の事業者でも導入がしやすいでしょう。
注意点もそこまで多くありません。以下、項目ごとに述べたいと思います。本ページの下に書くべき項目と記載例についてまとめてもいますので、参照してみてください。
上限金額について
代金引換配送には、配送会社の運送上のトラブルで荷物が破損・滅失した場合に備えて保険がかけられています。この保険には、保護される上限金額が決まっているものがあります(30万円が多い)。
ですので、特に問題がなければ、代金引換で受け付ける上限金額を保険が適用される範囲以下にするのが良いかと思われます。おそらくほとんどのECサイトシステムで受注する上限金額を設定できると思いますので、制限するのが安全でおすすめです。制限する場合には、その旨を明記することをお忘れ無く。
手数料について
代金引換については、所定の手数料がかかります。価格次第で店側負担とする場合や、注文合計金額によって手数料が異なる場合などについては、その旨をあらかじめ明記しなければなりません。
キャンセル期限について
代金引換については、クレジットカードや銀行振り込みと違い支払われるかどうかの確認作業が必要ありません。せいぜい実在する住所かどうか、配送可能な住所かどうかなどを確認することが必要な程度です。そのため、代金引換についてはそのまますぐに発送するサイトも多いと思います。
この場合には、より迅速な配送のためにキャンセル期限が非常に短いことを注記しておくのがよいかと思われます。(もちろん、注文確定ボタンを押した段階以降、キャンセルを受け付けないような構成にしているならば関係ありません。)
配送会社によるクレジット決済代行について
佐川急便では「Eコレクト」、ヤマト運輸では、「クロネコ@ペイメント」というように、代金引換のようでいてその支払いをカードで済ませることができるという決済方法があります。
ややこしいのは、佐川急便の「Eコレクト」は、現金による代金引換のみしか出来ない場合にも「Eコレクト」というサービス名であるということです。しかし、お客様の中には、「代金引換」でも「Eコレクト」ならすべてカード決済が可能と考えてらっしゃる人もいます。ですので、誤解の無いように、「現金のみ」による決済であることを注記するのがよいでしょう。
離島について
各配送会社の営業所が無い離島などの場合、代金引換で発送しても配送会社で止まってしまう場合があります。このようなことの無いように、離島についてきちんとシステムを組むことはもちろんですが、完璧なシステムを組むのは難しい場合があります。である以上、「離島などの場合、代金引換をご利用できない場合がございます。」といった記載や、「離島などで代金引換をご選択いただいた場合、配送が出来ない場合があり、その場合には注文をキャンセルさせていただきます。再度別のお支払い方法でご注文いただければ幸いです。」などといった注記を入れておくと良いでしょう。
ちなみに、代金引換が出来ないのは離島に限られず、例えば山梨県(海ありません)の一部地域なども代金引換が不可能な(大手)配送会社があります。
代金引換の不正利用について
代金引換を使って、いたずらをしたい相手向けに注文をするという事例があります。いたずらをされた受取人が知らずに代金を支払い商品を受け取ってしまった場合、あとで受取人が気付いても、契約上配送会社が返金に応じることが出来ない場合があります。というより、応じることが出来ないようです。
このような事例もありますので、もしも代金引換で注文者と受取人が異なる場合には、注意する必要があると思います。できれば、注文者と受取人が異なるのですが大丈夫なのかという旨、受取人が料金を支払うことになる旨を注文者に直接確認するのが良いと思います。そのような手続きをし得るのであれば、注記として「注文者と受取人が異なる場合には、注文者に対して当店から確認のご連絡をさせていただく場合があります。」と記載を加えておくと良いでしょう。
未成年の利用について
代金引換は、クレジットカードと違い、未成年者や制限能力者の利用も可能です。未成年者の場合、その親の同意がない契約は取り消すことができるとされています。未成年からの契約を断るか、規約上、未成年からの注文は法定代理人の同意があると見なす旨を記載するのがよいでしょう(ただし、このような記載をしても裁判所が効力を否定するように思います)。
できれば、システム的に年齢ではじくようにするのがベストです。他の制限能力者(成年被後見人、被保佐人など)についても同様の問題があり、こちらは年齢でははじけません。「私は制限能力者ではないか、制限能力者であっても権限ある後見人から本取引について同意を得ています」などのチェックボックスを設けて注文確定ボタンを押させるという手もあります。(いろいろと営業上のリスクはありそうですが、、、)
領収書について
税法上、領収書は、「まさに代金と引き替えとなる書類」です。代金引換の場合、「まさに代金と引き替える」のは、配送会社であり、配送会社がお客様に渡す領収書が「税法上の正式な領収書」になります。
領収書については、別ページに解説していますので、そちらを参照してください。
書くべき項目・記載例まとめ
書くべき項目 | 記載例 | ||||||||
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概要 | 当店では、佐川急便(ヤマト運輸)による代金引換によるお支払いが可能です。 商品を配達の際に、配達員に現金にてお支払いください。 ※当店の代金引換は、現金のみによるお支払いになります。クレジットカードはご使用いただけませんのでご注意ください。 |
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上限額 | 代金引換は、ご注文の合計金額が30万円までの場合、ご利用いただけます。 | ||||||||
手数料について | 代金引換においては、ご注文いただいた商品の価格によって手数料がかかります。 以下、その対応表となっております。
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支払総額 | 代金引換をご選択いただいた場合のお支払総額は、「商品代金+送料+代金引換手数料」となっております。 | ||||||||
その他注記 |
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