税法上、領収書は、「まさに代金と引き替えとなる書類」です。代金引換の場合、「まさに代金と引き替える」のは、配送会社であり、配送会社がお客様に渡す領収書が「税法上の正式な領収書」になります。
各支払い方法ごとの正式な領収書 | |
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支払い方法 | 正式な領収書 |
代金引換 | 配送会社が支払いの際に発行(配送ラベル兼の場合もあり) |
クレジットカード決済 | クレジットカード会社発行の利用明細書 |
銀行振込 | 取引明細書、引落明細書
※金銭が何の対価であるかの記載がないため正規の領収書ではないとの考え方もあるが、税務署、国税庁は領収書相当になるとしている。店発行の取引明細控えと合わせれば正式な領収書として捉えることが出来る。(⇒参考リンク:Wikipedia) |
民法上、契約で代金を支払う際には、領収書と引き替えだと請求することができるものとされています(民法§486,533)。領収書を発行できないなら支払わないという権利が認められているのです。ですので、かならず配送会社などは、領収書を発行します。
もちろん、お店側で「領収書(のようなもの)」を発行することは可能です。
ただし、印紙税法は「書類」にかかる税金ですので、まったく同じ契約についても所定の代金以上の書類が2つ存在すれば、そのそれぞれに所定の金額以上の印紙代を貼る必要があります。お店側で領収書を発行する場合には、ただの控えであること、つまり「注文内容とその金額を示しているただの書類」であることを示さなければなりません。「まさにこの金額を領収いたしました」などの文言を記載することは避けるのがよいでしょう。むしろ、できれば「本書類は取引明細控えであり、税法上の正式な領収書ではありません」と文言を入れるのがベストです。ちゃんとした領収書を発行してくれという問い合わせは増えそうですが。
また、会社での経費支払いなどためにどうしてもお店のはんこや名前が入った領収書がほしいというお客様も多くいらっしゃいます。その場合には、「領収書という名目、合計金額だけを記載した、領収しましたという文言が入った書類(ハンコを押すか、ハンコっぽい画像を印刷するとお客様にとっては納得しやすいでしょう)」を発行し、日付、名前、商品名などについてはお客様側で書いてもらうようにするか、注文内容確認メールを印刷してもらうなどで代用してもらうようにするしかありません。その際には、正式な領収書(代金引換だと配送会社発行の領収書)を添えて利用してもらうようにしてください。
銀行振込の場合
上記の表中でも示しましたが、銀行振込の場合銀行が発行する取引明細書、引き落とし明細書は、何の対価であるかの記載がないため厳密な定義によればそれを領収書といえるか微妙ではあります。ですので、銀行振込の場合には店側が取引明細書(控え)を発行すべきと考えます。
いずれにせよ、商品と一緒に取引の明細や納品書を同封ないし別途発行するのは、「ちゃんとしたお店だな」と思われるための一助となります。お客様に安心感を与えますし、法人のお客様ではそれを必須としているお客様も多いでしょう。