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ECサイト運営者のための法律情報まとめサイト » サイトに表示すべき事項

税法上、領収書は、「まさに代金と引き替えとなる書類」です。代金引換の場合、「まさに代金と引き替える」のは、配送会社であり、配送会社がお客様に渡す領収書が「税法上の正式な領収書」になります。

各支払い方法ごとの正式な領収書
支払い方法 正式な領収書
代金引換 配送会社が支払いの際に発行(配送ラベル兼の場合もあり)
クレジットカード決済 クレジットカード会社発行の利用明細書
銀行振込 取引明細書、引落明細書

※金銭が何の対価であるかの記載がないため正規の領収書ではないとの考え方もあるが、税務署、国税庁は領収書相当になるとしている。店発行の取引明細控えと合わせれば正式な領収書として捉えることが出来る。(⇒参考リンク:Wikipedia

民法上、契約で代金を支払う際には、領収書と引き替えだと請求することができるものとされています(民法§486,533)。領収書を発行できないなら支払わないという権利が認められているのです。ですので、かならず配送会社などは、領収書を発行します。

もちろん、お店側で「領収書(のようなもの)」を発行することは可能です。

ただし、印紙税法は「書類」にかかる税金ですので、まったく同じ契約についても所定の代金以上の書類が2つ存在すれば、そのそれぞれに所定の金額以上の印紙代を貼る必要があります。お店側で領収書を発行する場合には、ただの控えであること、つまり「注文内容とその金額を示しているただの書類」であることを示さなければなりません。「まさにこの金額を領収いたしました」などの文言を記載することは避けるのがよいでしょう。むしろ、できれば「本書類は取引明細控えであり、税法上の正式な領収書ではありません」と文言を入れるのがベストです。ちゃんとした領収書を発行してくれという問い合わせは増えそうですが。

また、会社での経費支払いなどためにどうしてもお店のはんこや名前が入った領収書がほしいというお客様も多くいらっしゃいます。その場合には、「領収書という名目、合計金額だけを記載した、領収しましたという文言が入った書類(ハンコを押すか、ハンコっぽい画像を印刷するとお客様にとっては納得しやすいでしょう)」を発行し、日付、名前、商品名などについてはお客様側で書いてもらうようにするか、注文内容確認メールを印刷してもらうなどで代用してもらうようにするしかありません。その際には、正式な領収書(代金引換だと配送会社発行の領収書)を添えて利用してもらうようにしてください。

銀行振込の場合

上記の表中でも示しましたが、銀行振込の場合銀行が発行する取引明細書、引き落とし明細書は、何の対価であるかの記載がないため厳密な定義によればそれを領収書といえるか微妙ではあります。ですので、銀行振込の場合には店側が取引明細書(控え)を発行すべきと考えます。

いずれにせよ、商品と一緒に取引の明細や納品書を同封ないし別途発行するのは、「ちゃんとしたお店だな」と思われるための一助となります。お客様に安心感を与えますし、法人のお客様ではそれを必須としているお客様も多いでしょう。

銀行振込については、前払い方式と後払い方式がありますが、ここでは一般的に用いられる前払い方式の解説となります。

銀行振込(前払い)については、実際に振込がなされたことを確かめてから商品を発送するので、代金回収リスクがほぼ0となります。一方で、お客様からすれば商品が届く前に先に振り込むのはリスクのある行動ですので、その信頼を裏切らないようにすることはもちろんです。

いくつか問題になりうる点を以下に解説します。なお、本ページの下に書くべき項目と記載例についてまとめてもいますので、参照してみてください。

キャンセル期限について

振込をされた以上、それ以降のキャンセルを受け付けられないように規約やご利用ガイドに記載しておきます。

逆にお振り込みいただいたにもかかわらず、商品を発送できないという事態の無いように注意しましょう。在庫管理がシステム上うまくいかない場合には、在庫を確認・確保してから振込先をお伝えするなどの手順で運用するという手もあります。

お振り込みいただいたにもかかわらず、商品を発送できなければ、お客様がお振り込みの際の手数料も含めて返金することが必要となりますので、注意するようにしてください。

支払期限について

オークションの出品者が、ECサイトで銀行振込にて注文し、落札者が現れるまで在庫を確保させておいた上で、売れなければ振り込まずキャンセルするというような使い方をする事例があります。それ以外の通常のお客様でも、銀行振込で注文後に「やっぱり要らない」と心変わりし、そのまま放っておくという方もいます。

このような場合、在庫リスクを負うのは店側ですし、他に買いたいお客様の利益も害してしまいますので、銀行振込での注文については支払期限を設けるのがよいでしょう。支払期限を過ぎた場合には、店側からキャンセルできるようあらかじめ注意を喚起し、キャンセルした場合にはその旨をメールでお知らせするようにしましょう。

振込間違いについて

振込先間違いの場合には、店側では責任をとれませんので、その旨を明示すると良いでしょう。

また、代金が足りない場合や、多く振り込まれた場合については、店により対応が異なるはずです。多く振り込まれた場合には、通常振込手数料をお客様側に負担してもらって返金ということになりますが、超過額次第では、お客様と相談の上、例えば多い分何か商品を追加するか、お店独自のポイントを付与するなどの対応をしてもよいかもしれません。そのような対応を考えている場合には、そのような場合があることも明記しておくと良いでしょう。

なお、超過して振り込みされた場合に返金に一切応じないというのは、法的に見てかなり無理があります。たしかにお客様のミスですが、そのようなミスは通常起きうるものですし、お客様のミスを奇貨として利益を得ることになり、不当利得として民法上返還の対象となります(民§703~)(もちろん、お客様が納得すれば話は別です)。ちなみに、店が不当利得だとわかっていた場合、利息を付けて返還する義務があります。放置しておいて、年月が経過してから訴えられた場合、利息も支払わなければいけないのです。そのようなことを考えれば、返金しておくのがベターと考えていただけると思います。

領収書について

税法上、領収書は、「まさに代金と引き替えとなる書類」です。銀行振込の場合、「まさに代金と引き替える」のは、銀行であり、銀行発行の取引明細書、引落明細書が「正式な領収書(相当)」になります。

領収書については、別ページに解説していますので、そちらを参照してください。

その他の注意点について

振り込まれた代金と注文との照合をどうするかについては、人が目で行っていることも多いでしょう。

確認を容易にするため、ご注文者と同じ名義で振り込んでもらうようにすることや、通信欄・備考欄(もしくは名前の後ろなど)に注文番号を入れてもらうようにするなどしているお店もあるようです。もしそのような希望があれば、あらかじめ明記し、注意喚起しておくのがよいでしょう。

書くべき項目・記載例まとめ

書くべき項目 記載例
概要 当店では、銀行振込が可能です。前払いとなり、後払いでのご注文は受け付けておりませんのでご注意ください。お振り込みいただいてから発送手続きを開始いたします。
振込期限 振込から○日以内にお振り込みください。

○日を過ぎた以後は、当店からキャンセルさせていただく場合がございます。

振込先 ○○銀行●●支店 普通口座 ********(番号)となります。

※振込を在庫確認してからにしてほしい場合には、「在庫確認後にお振り込みいただくため、公開はしておりません。注文をいただいた後、振込先と合計金額を伝えるメールを送信していますので、そちらをご確認の上お振り込みください。」など。

手数料 銀行振込の際の手数料につきましては、恐れ入りますがお客様負担とさせていただいております。
振込手数料額などについては、ご利用の銀行へお問い合わせください。
支払総額 銀行振込をご選択いただいた場合のお支払総額は、「商品代金+送料+銀行振込手数料」となります。
お振り込み間違いについて お振り込み先を間違えた場合につきましては、当店では一切責任を負いかねます。あらかじめご注意の上お振り込みください。

また、合計金額と異なる額をお振り込みになった場合には、確認が遅れるなどのため発送が遅れる場合がございます。そのような場合には、追加のお振り込みもしくは返金につきまして、当店から連絡させていただく場合がございます。お気づきの場合には、当店の連絡先までご連絡ください。

多く振り込まれた場合、通常お客様に振込手数料をご負担いただいた上で返金とさせていただいております。お客様のご希望がある場合には、超過分と同等金額としてお使いいただける当店独自のポイントを付与するという形の対応も可能です。

その他
  • 振込の際の名義人につきましては、ご注文者様と同一の名義にてお願いいたします。
  • お振り込み完了後については、ご注文内容の変更やキャンセルをお受け付けできませんのでご注意ください。
  • 銀行様発行の取引明細書、引落明細書が税法上の正式な領収書となります。
  • 当店側の事情によって、ご注文をキャンセルとさせていただく場合には、お客様ご指定口座に返金させていただきます。その場合の手数料などは当店負担とさせていただきます。

代金引換については、おそらくECサイトで普及率が圧倒的No.1で、多くのお客様にとってわかりやすくなじみ深い決済手段となります。まずはこの代金引換のみで始める業者も多いでしょう。

法的に見てお店側に不利な契約となるおそれがほとんど無く、代金の未回収問題もほぼ起こりません。また、クレジットカードよりも比較的回収タームが速く小規模の事業者でも導入がしやすいでしょう。

注意点もそこまで多くありません。以下、項目ごとに述べたいと思います。本ページの下に書くべき項目と記載例についてまとめてもいますので、参照してみてください。

上限金額について

代金引換配送には、配送会社の運送上のトラブルで荷物が破損・滅失した場合に備えて保険がかけられています。この保険には、保護される上限金額が決まっているものがあります(30万円が多い)。

ですので、特に問題がなければ、代金引換で受け付ける上限金額を保険が適用される範囲以下にするのが良いかと思われます。おそらくほとんどのECサイトシステムで受注する上限金額を設定できると思いますので、制限するのが安全でおすすめです。制限する場合には、その旨を明記することをお忘れ無く。

手数料について

代金引換については、所定の手数料がかかります。価格次第で店側負担とする場合や、注文合計金額によって手数料が異なる場合などについては、その旨をあらかじめ明記しなければなりません。

キャンセル期限について

代金引換については、クレジットカードや銀行振り込みと違い支払われるかどうかの確認作業が必要ありません。せいぜい実在する住所かどうか、配送可能な住所かどうかなどを確認することが必要な程度です。そのため、代金引換についてはそのまますぐに発送するサイトも多いと思います。

この場合には、より迅速な配送のためにキャンセル期限が非常に短いことを注記しておくのがよいかと思われます。(もちろん、注文確定ボタンを押した段階以降、キャンセルを受け付けないような構成にしているならば関係ありません。)

配送会社によるクレジット決済代行について

佐川急便では「Eコレクト」、ヤマト運輸では、「クロネコ@ペイメント」というように、代金引換のようでいてその支払いをカードで済ませることができるという決済方法があります。

ややこしいのは、佐川急便の「Eコレクト」は、現金による代金引換のみしか出来ない場合にも「Eコレクト」というサービス名であるということです。しかし、お客様の中には、「代金引換」でも「Eコレクト」ならすべてカード決済が可能と考えてらっしゃる人もいます。ですので、誤解の無いように、「現金のみ」による決済であることを注記するのがよいでしょう。

離島について

各配送会社の営業所が無い離島などの場合、代金引換で発送しても配送会社で止まってしまう場合があります。このようなことの無いように、離島についてきちんとシステムを組むことはもちろんですが、完璧なシステムを組むのは難しい場合があります。である以上、「離島などの場合、代金引換をご利用できない場合がございます。」といった記載や、「離島などで代金引換をご選択いただいた場合、配送が出来ない場合があり、その場合には注文をキャンセルさせていただきます。再度別のお支払い方法でご注文いただければ幸いです。」などといった注記を入れておくと良いでしょう。

ちなみに、代金引換が出来ないのは離島に限られず、例えば山梨県(海ありません)の一部地域なども代金引換が不可能な(大手)配送会社があります。

代金引換の不正利用について

代金引換を使って、いたずらをしたい相手向けに注文をするという事例があります。いたずらをされた受取人が知らずに代金を支払い商品を受け取ってしまった場合、あとで受取人が気付いても、契約上配送会社が返金に応じることが出来ない場合があります。というより、応じることが出来ないようです。

このような事例もありますので、もしも代金引換で注文者と受取人が異なる場合には、注意する必要があると思います。できれば、注文者と受取人が異なるのですが大丈夫なのかという旨、受取人が料金を支払うことになる旨を注文者に直接確認するのが良いと思います。そのような手続きをし得るのであれば、注記として「注文者と受取人が異なる場合には、注文者に対して当店から確認のご連絡をさせていただく場合があります。」と記載を加えておくと良いでしょう。

未成年の利用について

代金引換は、クレジットカードと違い、未成年者や制限能力者の利用も可能です。未成年者の場合、その親の同意がない契約は取り消すことができるとされています。未成年からの契約を断るか、規約上、未成年からの注文は法定代理人の同意があると見なす旨を記載するのがよいでしょう(ただし、このような記載をしても裁判所が効力を否定するように思います)。

できれば、システム的に年齢ではじくようにするのがベストです。他の制限能力者(成年被後見人、被保佐人など)についても同様の問題があり、こちらは年齢でははじけません。「私は制限能力者ではないか、制限能力者であっても権限ある後見人から本取引について同意を得ています」などのチェックボックスを設けて注文確定ボタンを押させるという手もあります。(いろいろと営業上のリスクはありそうですが、、、)

領収書について

税法上、領収書は、「まさに代金と引き替えとなる書類」です。代金引換の場合、「まさに代金と引き替える」のは、配送会社であり、配送会社がお客様に渡す領収書が「税法上の正式な領収書」になります。

領収書については、別ページに解説していますので、そちらを参照してください。

 

書くべき項目・記載例まとめ

書くべき項目 記載例
概要 当店では、佐川急便(ヤマト運輸)による代金引換によるお支払いが可能です。
商品を配達の際に、配達員に現金にてお支払いください。

※当店の代金引換は、現金のみによるお支払いになります。クレジットカードはご使用いただけませんのでご注意ください。

上限額 代金引換は、ご注文の合計金額が30万円までの場合、ご利用いただけます。
手数料について 代金引換においては、ご注文いただいた商品の価格によって手数料がかかります。
以下、その対応表となっております。

商品価格合計(税込) 代引手数料(税込)
0円 ~ 9,999円 350円
10,000円 ~ 99,999円 600円
100,000円 ~ 300,000円 1,300円
支払総額 代金引換をご選択いただいた場合のお支払総額は、「商品代金+送料+代金引換手数料」となっております。
その他注記
  • 代金引換の場合、注文後直ちに発送作業に入る場合があります。(注文後直ちにキャンセルが不可能となりますのでご注意ください。)
  • 商品によっては、代金引換による配送をお受けできない場合がございます。
  • 離島など配送先によっては、代金引換による配送をお受けできない場合がございます。
  • 必ず本人様もしくは確実にお受取いただける方へ配送先を指定してください。
  • 注文者と配送先が異なる場合には、注文者に注文内容を確認させていただく場合がございます。
  • 商品到着の際にお渡しする運送会社発行の領収書が税法上の正式な領収書となります。

クレジットカード決済は、ECにおいて5割から6割以上も用いられている一番メジャーな決済方法となります。そのため、クレジットカード決済はできれば導入したいという運営者は非常に多いと思います。

しかし、クレジットカードをECで導入することについては非常に多くの問題点があります。以下、項目ごとに述べていきたいと思います。

本ページの下に、書くべき項目と記載例についてまとめてもいますので、参照してみてください。

不正のカード利用があり得る

カード会社との契約にもよりますが、おそらくは不正の利用があった場合に損失を被るのは店側となっているはずです。これは、カード会社もしくはカード決済代行会社との契約上、「本人の適正な注文であることを店側が確認してからカード決済を実行するようにする」となっているためです。その注文が本人による適正なものであるかどうかは、カード会社には判断できない以上、その部分は店側が負うしかありません。したがって、不正かどうかを見分けるのは店側の責任となります。

ここで問題なのは、対面ではない以上本人かどうかを確かめる手段はご入力いただいた情報から判断するしかないと言うことです(不正のカードかどうか見分ける手段については、別ページを用意しているので、そちらをご参照ください)。このようなリスクがあることを認識した上で、様々な対策・工夫を行う必要があるように思います。

具体的には、、、

  • 契約成立前[契約成立(注文承諾)メールを送る前]にカード情報を確認するような運営体制にする。
  • サイト上の注記や、ご注文をいただいた際の自動配信メールに、クレジットカード情報により不正が疑われる場合には、適正な取引のため店側からキャンセルをする場合がある旨を明記する。
  • サイト上の注記や、ご注文をいただいた際の自動配信メールに、クレジットカード決済の場合、本人かどうか確認するためいただいた情報をもとにご注文者に連絡をする場合があることを明記する。
  • サイト上の注記や、ご注文をいただいた際の自動配信メールに、クレジットカード決済の場合、本人かどうか確認するため証明書類の提出などを求める場合があることを明記する。
  • サイト上の注記や、ご注文をいただいた際の自動配信メールに、クレジットカード決済の場合、本人かどうかの確認手続きのため、発送までお時間をいただく場合があることを明記する。
  • 注文者と同一名義のクレジットカードしか受け付けないようにする。(夫婦間で利用している場合など、少なからず名義が違う場合があります。)

契約として複雑である

クレジットカード決済は、当事者として「お客様」「ECサイト(店)」「クレジットカード会社」の三者が考えられます。これに加えて「クレジットカード決済代行会社」を利用する場合もあります。

ECサイト側からすると、クレジットカード会社(代行会社)は、パートナーであると同時に契約相手です。しかも、どちらかといえば立場が弱い方です。契約で融通が利くのは支払いタームや手数料率くらいでしょう。上述したように、注文が不当なものでないかどうかなどについては店側が全責任を負うことになります。

また、2009年12月1日から施行される改正割賦販売法によれば、特定の場合※1について、お客様からクレジットカード会社に直接支払いを停止することが出来るようにもなりました。これを逆に利用される※2という可能性もありますので、店側はより不正注文に対して注意をする必要があります。

※1:特定の場合とは、、、

  1. 条件を満たす契約であること(2ヶ月以上の期間にわたる3回以上の分割払い、抗弁事由の存在など
    ※場合によってこの条件は変化します
  2. お客様からクレジットカード会社へ支払い停止を求める内容証明郵便を送ること
 
※2:逆に利用されるとは、、、

カードで決済後、抗弁事由をでっちあげて支払いを免れる場合です。この場合、抗弁事由の認定についてカード会社がどのように動くか、後々になって警察がどのように動くかなどにもよりますが、店側が取り得る手段は限られますし、店側が抗弁事由が無いことを証明しなければならないとすれば、非常に面倒ですし、コスト的にも対応しきれないECサイトは多いでしょう。改正以後、どのような実務上の問題があるのかは未知数ですが、考えられ得ると言えるように思います。

クレジットカードシステムとサイトとの連携が必要

クレジットカード決済システムは、ECサイトへのシステムへの組み込みが必要になります。もちろん、クレジットカードに対応したECサイトシステムは多数ありますし、モールを利用する場合でもシステム的には簡単に利用できるように思います。

しかし、システムによって使い勝手は大きく異なります。システムのレスポンスが悪くタイムアウトになるような場合には、決済自体が出来ませんし、お客様側で複数回ボタンを押してしまい二重決済になるなどの問題が起きるシステムもあります。

また、注文確定時には与信枠だけ確保し(仮決済)、在庫の有無を確認、不正注文かどうか確認し、契約成立OKと判断した時に決済を確定(本決済)するというようなシステムを組む場合、決済のタイミングと契約成立を知らせるメールを同時に行うなどの処理も必要になりますし、運用上の操作も複雑になる恐れがあります。どのような契約成立の仕方にするか、どのような運用体制にするかは非常に難しい問題をはらむのです。

情報を保有する場合、流出・漏洩の危険がある

注文者の名前などの情報と合わせてクレジットカード番号が流出・漏洩した場合、非常に多額の損害賠償を請求されるおそれがあります。実際に多くの事例もあります

従来、クレジットカード情報は個人情報保護法でも保護の対象となっておらず、漏洩・流出させた業者に対して行政からの強い対応が期待できませんでした。しかし、2009年12月1日から施行される割賦販売法においては、クレジットカード情報を保有する業者に対して、流出・漏洩させないように必要な措置を講ずることが義務づけられています。これからは、民事上の責任だけでなく行政上の責任も負うのです。

もっとも確実で安全な対策は、クレジットカード情報を保有しないことです。ECサイト側で保有しなければ、そこから漏洩・流出するおそれはほぼ0になります。私個人としてはこれをおすすめします。

この場合、リピートしてくれたお客様が再度カード番号を入力しなければならず不便じゃないかと思われるかもしれません。その場合には、カード情報を代行して保有してくれるサービスもありますし、楽天などのモールでは、原則としてお店側にはクレジットカード情報が開示されず楽天側で代行して保有してくれますので、そちらを利用するというのも一つの手段です。

領収書について

税法上、領収書は、「まさに代金と引き替えとなる書類」です。クレジットカード決済の場合、「まさに代金と引き替える」のは、クレジットカード会社および銀行であり、クレジットカード会社発行の利用明細書が「正式な領収書(相当)」になります。

領収書については、別ページに解説していますので、そちらを参照してください。

その他の注意点・表記すべき事項について

  • クレジットカード決済で手数料をお客様負担とする場合には明示すること。(業界・取扱品目によってはお客様側に手数料負担を求めることを禁止していますのでカード会社にきちんと確認をしてください。)
  • クレジットカード代行会社を利用する場合には、その連絡先も明示するようにしてください。
  • カード会社・決済代行会社との契約上、サイト上に表示することとされている項目がある場合があります。カード会社・決済代行会社との契約書も参照してきちんと見るようにしてください。場合によっては、契約を解除されるおそれがなきにしもあらずです。

書くべき項目・記載例まとめ

書くべき項目 記載例
概要
  • クレジットカード決済が可能である旨
利用可能なカード 当店では、VISA・JCB・MASTER CARDのマークのあるクレジットカードが利用可能です。

※VISAデビットカードなどもあるので気をつけてください。

お支払い方法(回数) 一括払い、分割払い(最大12回まで)、リボルビング払いが利用可能です。

※AMEXやDinersなど、一括払いのみ可能という場合がありますので、その場合には注記をする必要があります。

手数料について 手数料につきましては、お客様負担はございません。

※負担がある場合、取扱商品のうち一部だけ異なる場合にはその旨を明記する。その場合、できれば各商品ページに手数料率を明記する。

支払総額 クレジットカード決済をご選択いただいた場合のお支払総額は、「商品代金+送料」となっております。
請求のタイミング ご注文確定後、当店で在庫の有無やクレジットカードの真実性を確認後となります。

※もしくは、「ご注文確定ボタンをお客様が押したあとすぐ」などとなります。
※また、VISAデビットカードの場合には決済請求時に実際に口座から引き落としが行われる点にも注意してください。

信用審査について クレジットカード決済には、当店での真実性審査に加え、クレジットカード会社による決済審査がございます。審査において、なんらかの事情で通過されなかった場合、自動的に注文はキャンセルとなります。
クレジットカード決済でエラーが出る方へ クレジットカードでエラーが出るのはいくつかの場合が考えられます。以下に該当しないかお確かめの上、再度確認してみてください。

  • カード番号が間違っている
  • セキュリティコードが間違っている
  • 電話番号が間違っている
  • 限度額をオーバーしている
  • クレジットカード会社にカード紛失や停止の申し出が行われている
  • 関係捜査機関などからカードアカウントの停止・差し押さえが行われている。
その他 ※注意点として、以下のようなことを記載するとよりよいと思われます。

  • 注文者様と同一の名義のクレジットカードをご使用くださいますようお願いいたします。
  • カード名義人とご注文者のお名前が異なる場合など不正の注文だと疑われる場合には、当店よりご本人確認させていただく場合があります。
  • ご注文の際に、注文者様の本人確認(電話確認、身分証明書のFAX確認など)をお願いする場合もございます。
  • カード会社より注文手続きの申し出が合った場合には、即座にご注文手続きを停止し、発送された商品についても配送会社に配送停止をする場合がございます。
その他<決済代行会社を利用している場合>
  • 決済代行会社を利用している旨、その連絡先の明示
  • 決済代行会社からメールや電話で連絡が行く場合にはその旨を明示
  • サイト上でご入力いただいたクレジットカード情報や個人情報などを決済代行会社が利用することへの同意を必ず求める・注記する
  • 決済代行会社自身が、その情報保有の厳格性などについて説明したページがある場合にはそのページへのリンク(例えばこちらのページ
  • お客様にクレジットカード会社から送られる領収書にて、決済代行会社の名前が出てくる場合には、その旨の説明と明示をする。

商品のレビューなど、お客様側から情報や感想などを投稿する機能がついている場合、また特殊な問題が生じます。それは、知的財産権(著作権)に関する対応です。

通常、お客様が書いた文章はお客様が著作権を有し、その改変・削除・利用・流用などは原則として許されません。しかし、ただお客様の行為にサイト運営を委ねると、お客様同士の言い争いや、お客様が勝手に誰かの文章をそのままコピーして投稿してしまうなどの問題が発生しかねません。

また、投稿したのがお客様でも、その「場」を管理しているのはECサイトですので、その「場」から第三者に飛び火して損害を与えたような場合には、サイト運営者が損害賠償責任を負うおそれがあります。正直、何が起きるかわからないというのが実態です。

ですので、きちんと運営できるように投稿する際には必ずECサイトが提示する条件に従ってもらうようにし、ユーザーが投稿したものについては、監視・削除・差し止めができるようなシステムにするのがよいでしょう。同時に、問題がある投稿について見ている人が簡単に運営者に通報できるシステムにすべきです。

システムをどう組むべきか

どのような機能を実現したいかにもよりますし、何を投稿させるのかによっても異なります。以下、テキストのみのスタンダードなレビュー機能を前提にして述べます。

まず、出来れば該当サイトの会員登録者に限って投稿できるようにするべきではないかと思います。これは、いざというとき本人への連絡ができるからです。もちろん、その意味であればコメント投稿の際に合わせてメールアドレスや電話番号を求めればよいという考え方もあります。

しかし、なるべくレビューなどの投稿を促進したいという場合には、登録会員だけに限るのはちょっと…という場合もあると思います。その場合には、まずいコメントかどうかを監視する体制と、すばやく削除する体制が必要になります。(すべて完璧に監視する義務が法的にあるのかといえばそうではありません。組織的体制に見合った相当な対応・監視をすればよいことになっています。しかし、相当かどうかを判断するのは最終的には裁判所ですし、なにより誹謗中傷が行われているサイトで購買意欲が促進されるでしょうか?なるべく早く対応するのが良いと思います。)

サイトを見ている人が簡単に運営者に通報できるシステムを入れることや、もしくはECサイト運営者の承認をもってコメントを表に表示するようにするという手もあります。また、ある程度キーワードを絞ってそれらキーワードが含まれる投稿(例えば、「殺す」や卑猥な単語など)については、投稿できないようにしてしまうと言うのも手です。

また、削除するかどうか迷った際に備えて、「表示を一時保留する」という対応がとれると非常に便利です。そのような機能をつけることも考えてみてください。

基本姿勢

まず、ECサイトがレビュー機能を付けるのはなぜでしょうか。口コミによるコンバージョン率の増加、サイト内回遊性アップ、PV/UUのアップ、ユーザーの顧客満足度の向上、運営者だけではカバーしきれない商品に関する情報の提供、実際に購入した方からのレビュー投稿で安心感を提供、レビュー内容を販促などに使いたい、などでしょう。

しかし、投稿者には著作権があり、その内容の編集・削除・利用・管理は、原則として著作権者である投稿者しか行えません。

他方で、管理するECサイトに投稿された内容が、第三者に対する誹謗中傷であったり、他のユーザーをだますためのいたずらだったり、言い争いがエスカレートすることで実際に殺傷事件が起きたらたまったものではありません。場の管理者として責任を問われるおそれもあります。

では、ECサイト側の判断で、投稿内容を勝手に消せるようにしましょうか。しかし、何を書いたら消されるかわからないようなところに、善意のユーザーが投稿するでしょうか。恣意的な運用がなされ不愉快な思いをしたユーザーが再び投稿し、もしくはお客様としてサイトを利用してくれるでしょうか。いかにECサイトが管理する場とはいえ、投稿の機会を与え場を解放し共有するのであれば、一方の恣意的運用がその関係を壊し、むしろ悪影響をも与えうるのです。もちろん、最終的には場の管理人としてECサイト運営者の判断になりますが、やはりある程度恣意的な運用をさけるため、一定の基準を設けて明示するのがベストと言えます。

ですので、基本姿勢としては、「あくまで投稿は投稿者の著作権に基づき保護されます。しかし、場の提供者としてこの場の秩序を維持するために、一定の基準を設けてそれに基づき投稿内容を削除することがあります。」というのがバランスがとれていて良いように思います。

利用条件をどう設定すべきか。

基本姿勢と一定の基準

まず、かならず投稿の際に条件を明示し、同意を得てから送信するようにしてください。これがなければ以下の議論は全く無意味になります。また、その同意を得る方法も、著作権が厚く保護されていることに鑑みてしっかり同意を得てください。見えないような小さい文字で条件を示しても何ら意味がありません。

※もちろん、しっかり同意を得たとしてもそれが裁判所で認められるかどうかは、また別問題です。ですので、可能な限り最大限同意を得るようにしてください。

まずは上記で述べたような基本姿勢を述べます。つぎに「一定の基準」ですが、これは以下のようなものになります。

  • 他者の何らかの権利を侵害、またはその恐れがある場合
  • 他者の名誉を毀損、またはその恐れがある場合
  • 発言が元になり、当サイト上での秩序が乱れる、またはその恐れがある場合
  • 客観的な事実に反する場合
  • その他上記に相当するような重大な事態が発生、またはその恐れがあると当店が判断した場合

見てわかるように、究極的には店舗側の判断になります。しかし、要するにまともな投稿であれば運営者が削除することはありませんよというメッセージにはなります。その他思いつくものについてはなるべく列挙し、あらかじめ公開・明示し、投稿の際に同意を得るようにしてください。

レビューを販促などに利用したい場合

投稿の際に、利用するであろうことをなるべく列挙し、明記すること。そして、投稿の際にそれについて同意を得るようにしてください。

例えば、「投稿された内容は、当店の販促、マーケティングの資料として用いられ、またよりよい店舗づくりのための意見として参考にする場合があります。あらかじめご同意の上、投稿してください。」などです。

なお、事前に明示していないものに利用することは、法的に言えば無理があります。同意内容について、いつでも運営者が変更できるようにしておくことはもちろんですが、それは「運営のため必要な場合」に認められると考えられます。もちろんそれは運営者の勝手ですが、「販促のため」である場合に相当性が認められるかについては疑問です。どうしても利用目的について変更したいならば、直接同意を求めるか、メールで新しい規約と変更点を送り、同意できない場合には削除してもらうなどしても認められないおそれがあります。

対外的な規定

また、他のサイトに勝手に利用されては運営者も投稿者もたまったものではありません。対外的には、「当サイト上に掲載されているコンテンツは、当サイトまたは投稿者の財産であり、著作権法によって保護されています。投稿された内容については、投稿者に著作権が帰属します。その使用許諾について当サイトが諾否の判断を行うことや、投稿者の個人情報について開示を行うことはできませんのでご了承ください。なお、投稿の削除基準に該当するような投稿を発見し、削除依頼を当サイトにしたいという場合には当サイトで確認の上応じる可能性があります。その際は当サイトの連絡先にご連絡ください。」などとするべきでしょう。

その他

大変申し訳ないのですが、ここでは著作権その他知的財産権に関する実践的な解説をすることができません。それは私の力量不足でしかないのですが、著作権および著作権者は投稿者の数だけ存在し、利害関係が複雑なのです。法的に言って完璧なものはあり得ません。システムを把握し、顧問弁護士と相談の上規約を定めて、あとはリスクを承知の上で運用するしかありません。

結局は、投稿者が納得できるかどうかです。そして、どんなに厳格に管理・運用しても文句を言う人はいますし、不満を覚える人はいます。そこで、出来るだけ権利を保護し、裁判でも負けないような方向へと舵を切るか、それとも文句を言ってこない程度であればある程度の不満と法的リスクを覚悟して運用する方向へと舵を切るか、利益と思惑とかけられるコストとやりたいことと目的などによって多数の選択肢があるように思います。運営者次第です。

問い合わせ先を表示することは、特定商取引法上も要求されているためほとんどのサイトが行っています。

しかし、一部サイトでわかりづらいところに表示し、問い合わせが来ないようにしているサイトもあります。顧客満足度を重視するのであれば、問い合わせ先はわかりやすい部分に明示し、かつ問い合わせをしやすいように記載することが必要です。

以下、メールによる場合と電話による場合について注意点をまとめています。

Eメールによる場合

※何かを記載した方が良いという場合、サイトに記載するだけでなく、問い合わせを受けた際の自動返信メールなどに書くのも効果的と思います。

問い合わせを受け付ける時間と返答する時間を分ける

Eメールの場合、受付自体は24時間行えます。その旨を記載した上で、返答する時間(営業時間)を記載するようにしてください。

また、問い合わせをいただいたあと、原則として○時間以内に返信するかという点について記載があれば、よりお客様は安心だと思います。

迷惑メールフィルタリングについて

お客様からのメールが、サーバー上のフィルタリングプログラムもしくはメーラーのフィルタリングにかかり、迷惑メールと判断されてしまった場合の対処についても明記するようにしてください。例えば、「お客様からのメールが当店のシステム上自動的に迷惑メールと判断されてしまう場合があります。その場合にはメールによる問い合わせを受け付けることが出来ませんので、問い合わせ後しばらく待っても返信が来ないという場合には、お手数ですがお電話にてお問い合わせいただければ幸いです。」などとなります。

また、逆にお店側が返信した場合に、それがお客様側システムに迷惑メールとして判断されてしまう場合があります。そのようなことがあり得ることを明記した上で、返信が来ないなと思ったら迷惑メールフォルダを見てもらうようにしてください。

なお、とても多く使われる「Yahoo!メール」サービスがこの点でやっかいです。「Yahoo!メール」は、Webメールサービスですが、POP/SMTPプロトコルも利用できます。「Yahoo!メール」では、迷惑メールと判断された場合、POP/SMTPプロトコルでは受信できませんので、POP/SMTPプロトコルを利用し、メーラーで受信しているかぎり受信することはできません。このことを知らないお客様も多いので、その旨についても記載するのが良いかと思われます。

メールの利点を上手く使う

メールは、電話と異なり基本的には内容が証拠として残ります。記録としてやりとりを残す方が少なくともお店側にメリットがある限り、電話で問い合わせをうけてもメールにランディングさせていくのがベストです。

例えば、返金に応じる場合で振込先をお客様からいただく場合は、かならずメールでいただくようにする。また、「お客様から連絡をいただいてから○日後」などを条件とした対応がある場合には、その連絡は必ずメールによるものとする、などメールの特長を生かし活用するのが良いと思われます。

電話ではなくメールでの対応をおすすめする事例は、例えば以下のようなものになります。

  • お客様の意思表示を明確にし、証拠として残しておきたい場合
  • 電話で即答できない問い合わせの場合(取り寄せ商品の納期の問い合わせなど)
  • 大量オーダー、非常に多くの種類の商品注文など(数量の言い間違いや商品の間違いなどを防ぐためにメールでやるのが安全でしょう)
  • 例外的な問題が発生し、担当者一存では決めることが出来ない場合
  • メーカーへの問い合わせが必要になる場合
  • 各種代行会社に業務を委託している場合で、その委託先に問い合わせが必要な場合

メールの欠点も認識する

メールは非常に便利でコストもほとんどありませんが、デメリットもあります。

お客様の表情が見えず、お客様からもスタッフの表情が見えないため、すれ違いや勘違いなどが起き、感情もヒートアップしやすいという側面もあります。

また、店側には負担する必要のない義務を担当者が勘違いして「できます」「対応させていただきます」などと返信してしまう間違いが起きないとも限りません。言ってしまいそれを相手が了承し、しかもメールという証拠が残ってしまうと法的に応じざるを得ない場合がほとんどですので注意が必要です。

お客様対応のメールについては、各社員間で共有するなどある程度リスクヘッジを行うようにした方が良いと思われます。

送信間違えなどに注意する

お客様とやりとりするメールは、当然そのお客様やその注文内容、配送先の状況などについての情報を含む場合があります。これはすなわち個人情報ですので流出・漏洩すると責任を負わなければならない場合があります。単純な宛先間違いや、関係ない部署の担当者に送ってしまう場合でも流出・漏洩と言い得るので気をつけるようにしてください。

この点を考慮し、メールではなく会員ページから掲示板機能のように店員とやりとりをする機能を持ったECシステムもあるようです。(そのシステムはそのECサイトオリジナルで他社に提供されてはおらず、詳細についてはお話しできません。)

電話による場合

受付日・時間について

電話は担当者がいなければ対応できませんので、受付日・時間については必ず明記するようにしてください。

メールを活用する場合について

証拠が残り、言い間違いなどが起きないメールを活用する場合は事例を挙げてメールでの問い合わせを促すと良いでしょう。例えば、「下記の場合には電話でなくメールにて問い合わせを受け付けております。1.○○○な場合 2.×××な場合」などです。

回線が混み合っている場合について

回線が混み合っている場合に、自動音声ではなくつながらないという場合には、その旨を明記するようにしてください。

返品については、近時頻繁に改正が入っている部分で、注目しているECサイト運営者の方も多いと思います。しかし、私が見る限り法の趣旨に沿ったまともな対応、つまり各省庁が出しているガイドラインの内容に従うということですが、それが出来ているECサイトは全体からすれば本当に少ないのが現状です。最低限法に従うような対応をとっていればまだ良いというくらいでしょうか。

しかし、このように業界全体が進む限り、法改正はこれからも進みます。ガイドラインがやがて法律になり、それでも十分でなければ、訪問販売について認められているクーリングオフをEコマースにも適用するかもしれません。(実際にそんな法案も出ていました。修正されて成案になりましたが。)

少しだけでも、返品規定については危機感を持って定めてほしいように思います。薬事法の改正で第一種医薬品についてEコマースが締め出されたという実例もあるのですから。

返品について基本的なこと

返品特約は何でも許されるわけではない

まず、お客様側に全く落ち度がないにもかかわらず返品を認めないということは法的に見てかなりの無理があります(隠れた瑕疵があるときに、当該瑕疵により消費者に生じた損害を賠償する事業者の責任の全部を免除する条項は、消費者契約法第8条第1項第5号により無効とされるからです)。お客様側に全く落ち度がない場合とは以下のような場合です。

  • 注文した商品と違う物が届いた
  • 注文した商品数量とは異なる数量が届いた
  • 届いた商品に通常の性能・品質が無かった(不良ロットなど)
  • 届いた商品に隠れた瑕疵(不良部分)があった(瑕疵担保責任)
  • 届いた商品がサイト上で掲載されていた情報と異なる部分があった
  • 事前の説明と異なる納期でそれがために契約の目的が達成できなかった

ですので、一律に「当店でご注文いただいたものについては返品を一切お受け付けできません。」という規定は、全く無意味です。それどころか、今回の改正法では不明確な返品規定については無効としており、通常通り特定商取引法で定められた返品を認める義務をサイト運営者に課しています。

特定商取引法で定められている返品に応じる義務とは以下のようなものです。(特定商取引法第15条の2など)

  • お客様が商品の引き渡しを受けた日から8日間は契約の解除(返品・返金)に応じる
  • 返品にかかる送料についてはお客様負担となる。
  • この場合、返品に関して条件を不当な条件を付してはならない。(付加して手数料などを請求できない)

これは、返品規定を定めていない場合に原則的に認められる義務と言うだけでなく、不明確な返品規定を定めていた場合、返品規定を定めていてもその注意喚起が不十分もしくは通常気がつかないような記載がされていたような場合などにも、原則的に守らなければならない義務であり、消費者の権利となります。

もちろん、商品によって、事例によって、サイト構成によって、その他の多種多様な要素から、「原則」は「例外」に変わります。しかし、社会は「消費者保護」を強く求めているのです。

容易に認識することが出来るよう表示する義務がある

返品特約については、特定商取引に関する法律施行規則第9条及び第16条の2において、「顧客にとつて見やすい箇所において明瞭に判読できるように表示する方法その他顧客にとつて容易に認識することができるよう表示すること」と定めています。

では、それはどのような表示なのでしょうか。事例や店舗、商品、媒体により異なりますが、概説だけ述べます。

  1. 小さい文字でないこと(12pt以上の大きさ、色文字を利用するなど)
  2. 返品特約とそうでない部分の区別がはっきりしていること
  3. 返品について消費者が知りたいと思うこと(「返品の可否」・「返品の条件」・「返品に係る送料負担」)については特に明瞭に記載すること
    ※明瞭にとは目につくようにということであり、例えば商品価格のスタイルと全く同じ太字・色文字を使うなどの場合や、かならず消費者が確認する部分のすぐ近くに掲載するなどである。
  4. ご利用ガイドなど、取引全体に関する解説ページを用意し、返品について説明したページも用意すること。
  5. 各商品ページに明瞭に記載すること
  6. 1つのサイト内で広告している様々な商品について、それぞれ異なる返品特約が適用される場合に、それぞれの商品について、いかなる返品特約が適用されるかを消費者に分かりやすく表示すること
  7. 最終申し込み画面(注文確定・確認画面)において返品に関する表示を行う、もしくは行った上でさらに詳細として返品に関する説明ページへのリンクを貼る
  8. 通常注文手続きをもっともシンプルな画面遷移で行った場合に、一度も返品特約の説明や解説ページへのリンクが表示されないことがないようにする
  9. 膨大なスクロールを経なければ返品規定にたどり着けないなどのないこと
  10. これらはあくまで例なので、全部この通りにしなければならないというわけではありません。しかし、感覚的にどの程度のことをしなければならないかについてはなんとなくでもおわかりいただけるのではないでしょうか。

    なお、紙媒体に広告を打つ場合や、動画などで広告を打つ場合など、その場合にはまた違ったわかりやすい表示が必要になります。単純にその広告自体の表示だけでなく、例えばURLを貼ってランディングページを作るならば、法的に見たLPOが必要になる場合もあるかもしれません。

コストとリスクを最小限にするには

とにかく店側のリスクを最小限に抑える方法を以下に記します。ただし、これによって問題が発生しないことを保証するものではありません。

まずは、返品に関する記載があるページを用意します。そして、そのページへのリンクをページの通常分かるところに掲載します。フッタ部分にカテゴリ検索と一緒に載せるなど分かりづらい部分はダメです。さらに、注文確定画面にも返品に関する記載を載せます。

では、返品に関する規定をどう定めましょうか。まず、お客様都合とそうでない場合を分けて記載します。そうでない場合とはつまり商品に隠れた不良や故障があった場合です。

具体的には、、、

  1. お客様都合でない場合
     ⇒送料当方負担で返品を受け付けます。

      ※お客様都合で無い場合とは、商品に欠陥がある場合やご注文商品と異なる物が届いた場合などです。

  2. お客様都合の場合
     ⇒一切お受け付けできません。

これで最低限を満たしています。しかし、このままでは不明確です(プログラムで言うスケルトンでしょうか)。期限や、申し出・連絡方法などについて加筆するのが良いと思います。

もちろん、返品に関する連絡先を併記することを忘れないようにしてください。

記載としてダメな例

経済産業省のHPにも記載がありますが、以下のようなものになります。

記載例 ダメな理由
「商品到着後10日間の初期不良については、返品・返金にて対応します。」 瑕疵がない場合の返品の可否についても明確に記載することが必要。
「ノークレーム・ノーリターンでお願いします」「返品不可」 瑕疵がない場合の返品の可否についても明確に記載することが必要。
「商品に欠陥がない場合の返品についてはその都度ご相談に応じます。」 具体的にどのような場合であれば返品に応じるのか不明確。いくつか例を表示することが必要。ただしその場合でも例によってはダメ

カスタマイズ例

返品をどのようにするかは、商品によって大きく異なりますし、利益率、サイトシステムなどによる制約もあるでしょう。

顧客サービスを重視するのであれば、例えば未開封の場合に限り、実費と返送費をご負担いただ上で、お客様都合の返品を認めるとうのが双方にとってバランスが良く一つの手になると思います。

また、中古品をさばけるのであれば、開封後でも返品(という名の買い取り)に応じるというのも一つの手かもしれません。Amazonがやっています。

いずれにせよ、条件を明示し、わかりやすい所から説明へリンクし、ご注文確定画面にも明示する。それが大切なことです。

その他の注意点

商品によって返品に関する取り扱いが異なる場合、その区分は明確にするようにしましょう。でないと、実質的に返品条件が不明確になってしまいます。できれば、商品ごとに返品に関する表示をすると良いでしょう。

参考になるサイト

上新電機が運営する「Joshin Web」(楽天市場店)が参考になります。

すべての商品名に、返品種別[A・B]を付け、商品説明の一番上に、説明ページへのリンクを貼っています。

商品名への挿入については、CSVファイルの扱いや正規表現+置換などある程度ITに関する知識を持っていれば簡単ですし、そうでなくともそういうことが簡単にできるようなシステムがあってもおかしくありません。お客様にとっての明確さ、法令上の義務に応えるという姿勢と、運用を楽にするという部分を上手く両立しているように思います。

また、このサイトは商品の特徴ごとに返品についての注意書きも行っており、リスク管理についても優れています。例えば、女性用脱毛機の商品ページには、「脱毛直後は、個人差がありますが、血がにじんだり、肌があかくなることがあります。この様な症状での商品の返品・交換はお受けできません。ご容赦くださいませ。」という記載があります。おそらくそのような問い合わせや苦情があったので書き入れたのでしょうが、お客様も認識した上で買うことができますし、買わないで違う商品にするという選択もできます。非常にフェアだと思います。

 ⇒【楽天市場】Joshin web 家電・PC・ホビーの大型専門店 [Joshin webのご案内]

関連資料

保証については、店舗ごと、商品ごとによって異なるでしょうし、実態に合わせて記載するしかないように思います。

保証については、商品それ自体についている保証、いわゆるメーカー保証に任せているECサイトも多いでしょう。それはそれで法的には問題がありません。もちろん、ECサイト運営者の商品管理体制によって保証が受けられないなどの場合には話がまた別になります。

メーカー保証に任せる場合の注意点

まずその商品にメーカー保証があるのかどうかを明確にしなければなりません。アウトレットや仕入れルートが正規でない場合にはメーカー保証は効きません。通常、メーカー保証が効かない場合には「保証なし」と明記するのが常識になっています。

なお、メーカー保証については、それが正規のルートで販売されたことを条件に保証が効くという場合がほとんどです。商品の保証書に店舗が印鑑を押すことによってそれを確かめるわけですが、ECサイトでは保証書へのハンコを押さないというサイトもあります。その場合には、その他に販売したことを証明する書類を用意するか(取引明細書がそれを兼ねるでしょう)、注文内容確認メールを印刷してつかってもらうなどの配慮が必要になります。

その場合には、その旨を明記し、十分に注意喚起するようにしてください。また、それら必要書類の再発行に応じることが出来ない場合には、その旨も十分に注意喚起する必要があるでしょう。

独自の保証をする場合

店舗独自の保証を設ける場合については、その詳細を明記するようにしてください。

保証をする場合には、保証の内容、期間、条件などを詳細に記載し明確にすることが必要になるでしょう。また、保証を受ける際に必要な書類や情報などがあれば、サイト上にあらかじめ表記し、十分に注意喚起をしておくことが必要になります。

ECサイトの場合には商品の状態をお互いに確認することができませんので、やや緩やかに、悪く言えばザル的に保証を認めることになるかもしれません。あまりに厳格に保証条件を確かめたり証明を求めたりすると、逆に不評を買うことにもなりますし、保証サービスそのものの存在意義を問われることになります。

他社の延長保証サービスを利用する場合

延長保証サービスを専門に扱っている企業があります。「TWGワランティサービス」や「ワランティマート」などです。

この場合にはシステム的に対応が必要であることはもちろんサイト上への記載も必要です。当該延長保証サービスを利用できる商品と出来ない商品を扱っている場合には、利用できる商品について明示する必要もあるでしょう。

保証の条件の詳細をサイト上に表記することは、おそらく延長保証サービスを提供している会社との契約の内容にも入っているはずですので、確認する必要があります。

ECサイトにおいては、納期が一番重要だと考える方も多いでしょう。お客様も最重視する方が多いのが特徴です。

それ故に、なるべく納期についてはあらかじめ明記することが必要となります。他店よりも納期が短い場合はもちろん、納期が遅い場合にもあらかじめ明記しておいた方が文句も出にくいですし、顧客満足の低下もある程度抑えることが出来ます。

納期について記載する際の注意点

注意点としては、「発送」と「配送」、そして「到達」を混同しないように配慮することです。ECサイトに不慣れな方は、例えば「24時間以内に発送します」と記載されていた場合、「24時間以内に手元に届く(到達する)」と勘違いする場合もあるということです。

もちろん、例えば配送会社と期日指定配達契約を結び、「その日に手元に届けることが(契約上)保証されている場合」には、「○日にお届けします」と記載することが可能です。(例:Amazonの「当日お急ぎ便」)

しかし、そのような場合でも配送先によっては指定配達が無理な場合がありますので、注記として「離島などの場合、不可能な場合があります」などといった記載が必要です。

いずれにせよ、運用の実態に合わせて誠実にわかりやすく書くことが重要です。

なお、JADMA(社団法人日本通信販売協会)のガイドラインによれば、「あらかじめ申込者に対して通知した期間に配送できないときは、すみやかに申込者に通知すること。又、これに起因するキャンセルは無条件で受けること」とされています。(⇒JADMAのページ[3-7.配送の遅延部分])

民法によっても、例えば事前に伝えられた期間に配送されなかったことによって契約の目的を達することが出来なかった場合や、損害が発生したばあいには、その責任を負うこととされています。

このようなことに鑑みれば、通常お店が保証できるのは「発送」までで、「配送・到達」までは配送会社次第となりますから、「○○日にはお手元にとどきます」などの表現は避け、「注文後24時間以内に当店から発送され、通常関東近県であれば翌日にはお手元に届きます。」などの表現にとどめるべきです。

配送時期について

通常、発送した後は配送会社の手に委ねられ、そこからどの程度の期間をもって配達されるのかについてはお店側は関与しません。しかし、そこがお客様にとっては重要であったりもしますので、なるべく目安となる期間を明示するのがよいでしょう。地域ごとに明示するなどが大変だと感じる場合は、例えば発送元を明示して、各配送会社が用意している発送までの目安期間を検索できるページへとリンクを貼るのでも良いと思います。(⇒ヤマト運輸「料金・お届け予定日検索」佐川急便「お届けまでの日数」

指定日時サービスについて

配達の日時や時間帯を指定できるサービスを利用できるサイトも多くあり、非常に便利だと思います。

ただ、このサービスは指定の日時に届けることをお約束するものではないことを必ず明記するようにしてください。よりわかりやすく、「配達希望日の指定」や「配達希望時間帯」というような表記にし、あくまで「日時を指定するサービス」ではなく、「日時の希望を指定するサービス」であることをわかるようにするのがベストです。

配送時期が例外的に遅れてしまう場合

手違いや在庫管理ミスなどにより、事前にお客様に伝えた時期に発送・配送が出来ない場合もあるかと思います。

その場合には、キャンセルを受け付けることを覚悟しなければなりません。可能な限り速くお客様にその旨を伝えて意見を伺うのがベストと考えます。

送料について

送料についても非常に重要です。ECサイトで注文を止める理由のうち一番多いのが送料というデータもあります。そのため、きちんと明記することが必要となります。

送料体系については、商品の重さ、商品の大きさ、配送先住所などにより大きく変化し、そのパターンは非常に多くなります。システムとの兼ね合いもあり、サイトごとに異なるでしょう。そこは正確に説明を書くしかありません。可能であれば、大きさ・重さに関係なく一律料金にしてしまうのが良いように思います。

気をつけるべきなのは、きちんと明記をすべきということです。「送料実費」や、「○○円~」などの曖昧な表現のみでは明記とはいえません。これは、特定商取引法で、実際にかかる金額を明示することと定められている義務に違反しているとも言えます。

※「○○円~」という表現は、別ページにちゃんと送料について解説したページがある場合などは別に問題はありません。例えば、サイト上に送料について解説したページがあり、他サイトに掲載するショップ情報で「送料は○○円~」というのは、アリです。もちろん、なるべく詳細に書くことは重要なのですが、スペースが許さないならばそれは店舗の責任ではありません。

その他注記について

交通状況・天候・天災などにより配達が遅れる恐れがあることはかならず明示してください。また、お中元・お歳暮の季節やお盆休みなど交通状況が通常と異なる場合についても、注記しておくのがよいでしょう。これは、日付指定・時間帯指定の場合でも同様です。

自社で発送作業を行わない場合には、他社に住所などの情報を渡すことになります。個人情報となりますので、あらかじめ住所を第三者に開示する同意を得るため、注意喚起しておくのがよいでしょう。

国際配送に対応するかどうかについても記載を忘れないようにしてください。

書くべき項目・記載例まとめ

書くべき項目 記載例
概要 当店でご注文いただいた商品は、すべてご指定場所への配送となり、一定の送料がかかります。
商品の納期について 当店で取り扱う商品については、在庫がある物についてはご注文から24時間以内に発送させていただきます。関東近県であれば通常発送の翌日にはお手元に届きます。
他方で、在庫がない商品(お取り寄せ商品)については、ご注文をいただいてから1週間以内の発送となります。

※この部分はサイトの運用により様々な記載方法があるように思います。
※なお、お支払い方法に銀行振込が選択できる場合には、「振込を頂き、それを当店が確認した後24時間以内に」などの表記に変わります。

配送状況の確認方法 発送後、伝票番号をメールにてお伝えしております。その伝票番号を元に配送会社サイトからお荷物の状況を確認することが出来ます。(通常、発送日の夜以降に確認が可能になります。)
代行会社の利用 当店は、発送を自社ではなく専門の代行会社に委託しています。当該会社と発送に必要な情報を共有することをあらかじめご了承ください。

※お客様の安心を考えるならば、委託会社との情報共有体制につき厳格な体制を築いていることを説明するのがよいでしょう。例えば、「委託会社はプライバシーマーク取得会社であり、当店との契約上厳格な秘密保持契約を結んでいます。」など。(もちろん、事実に反することは記載しないでください。)

送料について 当店では、送料は一注文に付き一律500円とさせていただきます。

※大きさ・重さ・地域によって異なる場合は、それぞれの対応表を記載。

その他注意事項 当店では海外への発送は行っておりません。日本国内のみの発送となります。(We are unable to deliver the goods to overseas)

ご購入商品は、到着後3日以内に不足などがないかご確認ください。

※メール便や普通郵便の場合には、決済方法として代金引換を選択できない点、手渡しではなくなる点、配送失敗時の保証が無い点、日付・時間指定が出来ない点を注記

支払いについては、もっとも問題が大きくなりやすくそれゆえ記載に気をつけるべき所といえます。本ページでは、代表的な「クレジットカード決済」「代金引換」「銀行振込」について解説をしています。

まず、サイトのトップや見えやすいところに、「お支払い方法について」「決済方法について」など、決済について説明したページがあることを明示するのが良いでしょう。

なお、利用できる支払い方法は、すべて記載することが必要とされています。

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