サイトを利用するに当たっての説明が本当に最低限のものしか無いサイトが非常に多いです。シンプルで良いとも思うのですが、リスク軽減からもあらかじめお店側の意思や考え方を明示しておくことは、フェアな取引には必要なことです。
ECサイトについて言えば、取引について利用規約を定めたり契約書を交わす場合には、それをわかりやすく説明し表示するという努力義務があります。これは確かに努力する義務であり、義務ではありませんが、軽視すべきではないように思います。
2つのメリット
あらかじめ情報を積極的に開示することは2つの点でメリットがあります。それは、リスクの低減と運営の効率化についてです。
まず、「書いてあった」という事実は非常に大きいです。注意点を「書いてあった」のに、それを読まずに間違って購入されたならお客様にも責任の一端があることは間違いがありません。もちろん、小さい文字で書いてあった場合などは話は別なのですが、少なくとも全て店側に責任があるとはいえなくなります。このように、法的なリスクの低減になります。
次に、書いてあるなら問い合わせをわざわざせずにそれを読むという人は確実に存在します。同時に、問い合わせをしたくないから違う店に行くという人も確実に存在します。積極的に情報を開示することは問い合わせを減らす効果を生み、運営の効率化につながるのです。
また、たとえば電話やメールで説明する際にも、解説ページを用意してあればそれを参照してもらいながら説明することで説明の時間を短くでき、さらにはお客様側で納得もしやすくなります。苦情の場合でも、注意点が最初から書いてあったのであれば、渋々ながらも納得されるお客様もいるでしょう。このように、お客様対応の時間そのものの減少にも貢献し、運営の効率化に資するのです。
問い合わせが多くて困っているという方は、ご利用ガイドという形で体系的にまとめたページを用意し、そこに積極的に誘導するようページの構成を変えてみてはいかがでしょうか。大事なことはページを作ることではなく、見てもらうことなので、目につきやすい場所にリンクを張ることも非常に重要になります。
理想的な状態になれば、一日に百件の注文が入ったとしても、就業時間に「あれ?今日電話なったっけ?」となります。希有な例かもしれませんが、私は実際に体験していますし、その一つの要因としてはドキュメントを整備した事があるのではないかと思っています。