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本ページでは、本文中では触れていない部分等も含め、法律によりアプローチしています。

やや法的知識がある方を前提に書きます。あんまり実践的な部分は無いので、不必要だと思ったら無視してください。

全体像

取引の基本は、民法です。民法上、契約成立に必要な承諾は、発信主義となりますが、ECにおいては、特例法(電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律)による修正が入っています。同法は、95条但書の錯誤についても特例を設けています。

その他、消費者契約法、特定商取引法、割賦販売法、景品表示法など、通常想定される法律などに加えて、サイト上の表記などについては著作権など知的財産権の問題も含むことになります。

なお、実際にどのように把握されるのかはわかりませんが、刑法・刑訴法でいえば、ネット上の表現は世界に配信している分、法益侵害性が大きいとされます。著作権などについては注意する必要があるように思います。

その他、サイト上の表示ではなくその裏の部分になりますが、メール配信をするならば特定電子メール送信の適正化などに関する法律や、個人情報保護法上の個人情報保有業者に該当すれば、個人情報保護法上の規制を受けます。

そのような法規制に加えて、各省庁から出る省令などがあり、加えて各省庁や各団体からガイドラインが出ています。

 

全体として気にすべきものはこのような感じです。例外として、例えば薬事法などの例があります。薬事法改正によって第一種医薬品については通信販売が禁止されましたので、それらを販売していた業者は販売が出来なくなりました。

もちろん、中古品などを買い取って販売するなどの場合には、古物商許可が必要であったりします。扱っている商品毎に許可が必要なものがありますので気をつけてください。

電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律

民法§95但の特例:錯誤の特例

本法第3条は、民法95条がどのように電子商取引に適用されるかについて特例を設けています。

民法95条但書は、表意者(ユーザー)に重大な過失があったときは錯誤主張を出来ないとしています。しかし、ECサイトにおいては、操作ミスや入力ミス、選択ミスなどによって容易に「重大な過失」になり得るものであり、この点でユーザーに不利であるとされています。本法第3条は、この点を修正しています。

その修正とは、「消費者の意思の確認を求める措置」を行わなければ、例えユーザー側に重過失があっても錯誤を認める(民法§95但書の排除)というものです。そして、「消費者の意思の確認を求める措置」とは以下2点のようなものです。

  • 注文確定ボタンが存在する同じ画面上に入力された注文の内容を明示し、そのボタンをクリックすることで契約上の意思表示となることを消費者が明らかに確認できる画面を設置すること
  • 最終的な意思表示となる送信ボタンを押す前に申込みの内容を表示し、そこで訂正する機会を与える画面を設置すること

これ以外にも、要するにユーザーの意思をきちんと確認する措置をとっているのであれば、OKということです。本法が成立されて以降、注文確認画面と注文確定ボタンへの注意喚起が行われるサイト構成がスタンダードになりました。現在これに違反しているサイトはほとんど見られませんが、念のため確認してみるのがよいかもしれません。

民法§536Ⅰ、527の特例:発信主義の特例

隔地者間契約について、民法は発信主義をとっていますが、電子承諾通知について本法はそれを排除しています。

承諾の通知をECサイトがメールで送信する場合、送信した時点ではなく相手方に到達した時に承諾が行われたとされます。

では、「相手方に到達」とはどういうことなのか、Eメールのシステムを理解している人だといろいろと疑問が湧いてきます。これについては、情報文化総合研究所|電子契約法にも記載があるように経済産業省が、「相手方のメールサーバーのメールボックスに情報が記録された時点」というように定めています。

ですので、相手がPOP3メーラーしか使ってないという場合でまだ受信してないという場合でもメールサーバーにさえ到達していれば「到達」といえます。

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